最初に言っておくと、僕は原発反対派だ。反対派の意見の中には「 .. >(続きを読む)
最初に言っておくと、僕は原発反対派だ。反対派の意見の中には「もし原発を止めたとしても他の発電で十分今の電力供給を維持できる」ということだが、たとえ原発を止めたせいで電気の供給が少なくなってもかまわないと思う。というより、日本はもっとビンボーになって、昭和30年代くらいの生活に戻った方がいいんじゃないかな。大体現在消費されてるものの多くはすぐゴミになっちゃうようなものなんだし(今でも「たまごっち」を大切にしてる人がいたら教えてください)、TVとかだって一日5時間くらいしか放映しなくていいじゃん、牛肉とかそれこそ一年に一度食べられる位の方がありがたみが増しておいしく食べられると思うぞ・・・って脱線しました、すんません。で、この映画。表現に於いて様々な「見えないタブー」が存在するこの日本で、こういうテーマを重くなりすぎずに描いた功績は非常に大きいと思う。かつてRCサクセションというバンドが反原発の歌を含んだ「カヴァース」というアルバムを出そうとした所レコード会社から「素晴らしすぎて発売できません」という不可解な広告が出され、発売中止になった(結局他のレコード会社から発売された)のは1988年のことだ(その親会社が原発に関わっていたからだといわれている。ちなみにこの作品の「美術協力」にその親会社が名を連ねていたのはなんとも皮肉なお話)。それに【ドラえもん】さんの仰るとおり、この映画は原発を手軽に知るためのテキストとしても最適だ。ただ、本当に残念な事にこれを「映画」として見た場合、あまりにお粗末な部分が多過ぎると思うのだ。唐突に現れる原発反対派の教授、最高機密のはずのコックス燃料の事を人目も憚らず喋りまくる原子力安全委員、なによりあの少年のキャラクターが薄っぺら過ぎて、説得力がなさ過ぎる。唯一映画として良かったのはコックスを積んだトレーラーが日の丸に激突するシーンと雨のシーン位か。もう少し、もう少しだけ脚本を練ってくれれば、21世紀の「太陽を盗んだ男」になり得たのに・・・と思うと本当に残念だ。