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<ネタバレ>はじめに■其の一:以前、姪の一人がまだほんの幼い頃、「ねえ、“せんそう”って何?」と聞かれてドキッとした事がある。未だ“戦争”という言葉を死語に出来ない、自分を含めた世の中に憤りを感じる■其の二:どうやら最近知り合いの中学生がいじめに遭っているらしい。本人は詳しい事を語りたがらないが、ただ一言、「世の中、間違ってる」。それに対して自分は「そうだよ、間違ってるよ。水が低い所に流れるのと同じ位当たり前に、世の中は間違っている。だからそれに対抗する術<すべ>を手に入れなくちゃ、いけないんだよ」と答えた。というかそう言うのが精一杯だった■其の三:最近若い人がよく使う「ありえない」という言葉。僕はあれが大嫌いだったのだが、この作品を観ながら「確かに、若者や子供の視点から観ると、世の中は“ありえない”事ばかりなのかもしれない」と思った■<本題>:グロテスクな話である。しかしそれ以上に世界はグロテスクな様相を呈している。無垢な子供の視点から観ると、それがいっそう浮き彫りになる。あの村の大人たちは矛盾と不条理と欺瞞み満ち溢れた「オトナたちの世界」のメタファーなのかもしれない。[良:1票]