憧れの先生をあとを追いかけて、走りに走る。しかし勢い余って転 .. >(続きを読む)
憧れの先生をあとを追いかけて、走りに走る。しかし勢い余って転んでしまい、餃子の入った丼も割れてしまう。泣きべそをかいた彼女に胡弓の旋律が絶妙に被る。なんといじらしく切ないシーンであろうか。晩秋と初冬の田園風景の見事な美しさとあいまって、黄色い麦畑の中に咲いた一輪の紅い花といった可憐で初々しいチャン・ツィイーは、やはりこの作品の白眉であると共に、役者としてのプロ根性をも見た思いがした。そして、その彼女の魅力を引き出したチャン・イーモウ監督の手腕もさすがだ。 「初恋のきた道」という邦題のつけ方も近年の傑作だと思う。