いかにも大作っぽくて、緊迫感溢れるストーリーでありながら、画 .. >(続きを読む)
いかにも大作っぽくて、緊迫感溢れるストーリーでありながら、画面からそれがさほど感じられないのは、やはり作り手側の“核”に対する認識の甘さと、フィル・アルデン・ロビンソン監督の演出の緩さによるものに他ならない。いくら広島・長崎に投下されたものより小さいとはいえ、車やヘリが砂嵐に遭った程度の描写では「恐怖」を感じようがないではないか。やはり核の破壊力とその後の凄惨な状況というものをしっかり描くべきで、被害者意識丸出しの「パール・ハーバー」では見事にそれをやってのけていたではないか。ひとつの都市が破壊されていても、そんな事がまるで無かったかのように、いとも簡単に仲直りの共同声明が発表され、それを恋人と遠くから眺めるB・アフレックのニヤけた顔・・・という、この何とも締まらない作品を象徴するかのようなエンディングではある。