類型的なものを極力嫌い、常にクセのある演出スタイルを貫くとい .. >(続きを読む)
類型的なものを極力嫌い、常にクセのある演出スタイルを貫くという意味では、いかにも森田監督らしい作品となっている。が、それにしてもひたすらシニカルで乾いた登場人物たちには、我々観客が感情移入する事を頑なに拒絶しているかのようで、とりわけ、極めて冷静でとても豆腐屋の主には見えない山崎努の存在には、リアリティすら感じられないのは困ったものだ。それはバーチャル的に自爆してしまうシーンにも言えることだが、実際どこまでが本当なのか解らないラストの唐突な問題提議をも含め、ひたすら人を食った嫌味で冗談のような作品で、とても好感は持てない。