何不自由なく平凡な日常を送っていた夫婦に、突然の悲劇が襲いか .. >(続きを読む)
何不自由なく平凡な日常を送っていた夫婦に、突然の悲劇が襲いかかる。被害者側でありながら裁判が不利という不条理な状況下に置かれてからというもの、表層的には平穏だったふたりの間に、人間本来の感情が剥き出しになってくる。その微妙な亀裂が木目細やかに描かれていき、心の闇を炙り出していく怖さ。終盤ある事を成し遂げ、自責の念に苛まれながらベッドに横たわる夫に、「コーヒー飲む?」と言う妻の最後のセリフには、日常に潜む非日常な出来事を鋭く突いて、戦慄する以外にない。