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俳優の演技力が作品の出来を左右するものだと、つくづく痛感させられる。「OUT」とはまさにそんな作品だ。その見事なまでのキャラクターの創造性と四者四様のキャスティングの妙。そして監督の要求に的確に応える女優陣たちの凄いこと。映画は殺人を犯してしまった、コトの重大ささや悲壮感などよりも、むしろ一線を超えた事が決して特別なことではなく、極めて日常的な事として描かれていく点が面白い。彼女らが、まるで弁当を作る手際のよさで、流れ作業的に死体の処理をしてしまうシーンが、何ともユーモラスに描かれていく。金に細かく、個々に悩みを抱えて、今、まさに生きている女たちが、ひとたび連帯感(実に奇妙な)を持つと、かくも強くなれるのかという感覚を巧みに演出した平山秀幸監督の手腕は、さすがにソツが無い。とりわけ、密談の際の無菌室の使い方や、ドアスコープから見える室井滋の様々な表情などは原作では語りきれない、まさに映画ならではのもの。[良:1票]