強盗のプロたちの華麗な盗みのテクニック・・・と言うよりも、こ .. >(続きを読む)
強盗のプロたちの華麗な盗みのテクニック・・・と言うよりも、ここではかなり大胆な手口での強奪が小気味良く描かれていく。周到に計算されているようでいて、監視カメラで簡単に顔が割れてしまうなどという大雑把な部分もあるのだが、窮地を事も無げに切り抜けていく様に焦点が充てられている作品ともいえる。それだけに、彼らを追うはずの警察側の描写が前面に出てこない為、作品的な拡がりが感じられないのは惜しい。仲間割れや裏切りに加えて取引相手の襲撃など、結局はお約束どおりの展開に終始する訳だが、恋人も仲間も棄て、“信じられるのは己のみ”という、これぞプロフェッショナルの真髄をみる幕切れは痛快そのもの。G・ハックマンのふてぶてしさ、したたかさが、老いてなお健在だということを知らしめてくれたという意味でも、小品ながら実に味のある作品だといえる。