「ストーカー」とは、あくまでも邦題であって、作品を観るといか .. >(続きを読む)
「ストーカー」とは、あくまでも邦題であって、作品を観るといかにも便宜上(もしくは安易に)付けたタイトルだと解る。確かに或る家族のことに固執する男の姿が描かれていく事には違いないのだが、我々の日常使われている「ストーカー」とは少し意味合いが違う。従って何の予備知識もなく観ると、やはり意外な内容であり展開も予測がつかない。観る前には、作品のイメージから最悪の結末さえ考えていただけに、家族を持てなかった初老の男の哀しみと同時に、ある種の安堵感を覚えずにはいられない。やはりR・ウイリアムズというキャラクターの成せる技なのだろう。それにしても、頭が良く用意周到である反面、店に無断でのサービス過多やプリントのカウントの誤魔化しといった、どう考えても簡単にバレてしまうような事を、平然とやってしまうという主人公の姿に、昨今世間を騒がせている偏執狂的犯罪者たちにやはり共通項を見出してしまう。