ひと昔前の東映仁侠映画のアナログっぽさがぷんぷん匂う画作りが .. >(続きを読む)
ひと昔前の東映仁侠映画のアナログっぽさがぷんぷん匂う画作りが印象的な作品だが、それはあくまでも表層的なもので、作り手側の趣味の範疇を超えてはいない。白装束を身に纏った窪塚扮する(一見)ネオ国粋主義者的青年たちの無軌道ぶりには、そこいらの不良たちよりもよほど始末が悪く、暴力を振るうことでストレスを発散させているようにしか映らず、共感するまでには至らない。結局、彼等は何を遣りたかったのだろうか。本物のヤクザにも国粋主義者にもなれず、単に“ごっこ”だけで命を散らした若者たちの姿は無残だが、その無念さまでは伝わってはこなかった。凝りに凝った画面と独特の雰囲気を有した映画だが、製作者側の意図がよく解からず、意気込みだけが空回りした作品だったように思う。