独特の卓越した映像と音楽そして冷ややかでブラックな感覚の、ま .. >(続きを読む)
独特の卓越した映像と音楽そして冷ややかでブラックな感覚の、まるで悪魔のミュージカルを見るような造型美には、感動を超えて終始圧倒されっぱなしだった。この作品を境に映画の魅力と可能性にのめり込んでいったという、個人的にも思い入れの強い作品である。キューブリックは主人公アレックス役にM・マクダウェルを起用した時点で、既にこの作品の成功を確信していたに違いない。それほど彼はこのアレックスを演じるために生まれてきたような男で、片目に付けまつげをセットして独特のコスチュームで“♪雨に唄えば”を口ずさみながら嬉々として暴力をふるうという不良青年のイメージはあまりにも強烈で、キューブリックの期待にも見事応えている。