法廷モノのいわゆる丁々発止の裁判劇の面白さよりも、その裏側で .. >(続きを読む)
法廷モノのいわゆる丁々発止の裁判劇の面白さよりも、その裏側で蠢く人間ドラマにより重点を置いたサスペンスドラマ。実際に起こりうる陪審員制度の様々な問題点を鋭く暴く・・などといった社会派の小難しい作品ではなく、原告と被告側双方の駆け引きや裏工作に或る復讐劇を絡めるという、我々観客を飽きさせることなく終始興味を抱かせるように構成されるという、あくまでも娯楽作品に徹して描かれている。その点で言えばそれは正解であり、見事なストーリーテリングと絶妙のキャスティングで、本作は近年にない良質のエンターテインメントとしても立派に成立している。永年実現しなかったG・ハックマンとD・ホフマンとの初顔合わせが何と言っても本作のハイライトで、ド直球のハックマンと変化球のホフマンといったそれぞれのキャラに見合った役作りはさすが。少々掴みどころの無いJ・キューザックやR・ワイズといった若手俳優たちとの対比もまた面白い。