これは『十二人の怒れる・・』とはまったく別物。同列に比較して .. >(続きを読む)
これは『十二人の怒れる・・』とはまったく別物。同列に比較して論ずることはまったく意味がないと思います。パロディーとは言わば「からかい」なんですから。同列に論じたら、本家に対しても失礼。とはいえこの国にはいまだ確立した解釈はないので、みんながそれぞれ勝手に思い込んでますね。誰か何とかしてほしいもんです。まとにかく、これはコメディの一作品。アハアハと笑いつつ、最後は鮮やかなオチにうなる。完璧! 蛇足ですが、そもそも日本の陪審員制度、という設定からすでに「ギャグ」(将来はこれがギャグとして通じなくなると思うとそこは残念)。だから(解説するのもおこがましいが)本作はトボケた味が身上です。本家のようなシリアスさ、重厚さとは無縁。三谷氏のセンスのよさは、元ネタの重々しさを逆転して、ここまで軽い笑いに持っていき、しかも多かれ少なかれ誰にも「日本人てこうだよなあ」と思い及ばせたこと。また本作は「舞台としてはよくても映画としてちょっと」という声もわかるけれど、中原監督はかなりがんばったと思います。キャスティングもよかったしね。