アルモドバル作品を見た中では唯一気に入った作品。世間の評価も .. >(続きを読む)
アルモドバル作品を見た中では唯一気に入った作品。世間の評価もおおむねベスト1ですよね、これ。以前CSで途中から見たので、今回はDVDで最初から見直しました。やっぱりいいな、心地よいなと思いつつ、なぜかなあと考えてみると、不幸のかたまりみたいな話が後から後から出てくるにもかかわらず、女たちの関係性がどれも温かいから。逆に男にとってこの映画は「男はいらない」と言われてるような居心地の悪さに通じるんではないかなあ、とも思ってしまいますけど。アルモドバルは男なのに女の関係性を描くのがうまい、というところも、何か不思議ですが。そうそう、何を表そうとしているのか今一つ真意がよくわかりませんが、大きな何機もの風車のシーンが何度か出てきます。本作は2006年作品とのことですが、風力発電への取り組みで知られるスペインでは今年2011年、風力発電が国内の電力供給方法の第一位になったのだそうです。この映画で故郷という設定になっているラ・マンチャが特に風車の多い地帯なのか、風車が多いからラ・マンチャを舞台にしたのか、はたまた映画のコンセプトを象徴しようとしているのかよくわかりませんが、好きなシーンの一つです。 <追記>読み返していたら、あ、ラ・マンチャだから風車なのか~と気付きました。出てくる女性たちにドン・キホーテの趣があるわけではありませんが、大きなくくりでとらえると、根っこのところにあるといえばあるのかも。よくわかりませんが、スペイン人のアイデンティティーにやはりドン・キホーテというのはかなりかかわっているってことなんでしょうか。それともアルモドバルが特にこだわってるんでしょうかね。誰かに教えていただきたいものです。