延命を第一義にしてきた現代医療に疑問を呈し、クォリティ・オブ .. >(続きを読む)
延命を第一義にしてきた現代医療に疑問を呈し、クォリティ・オブ・ライフ(狭い解釈では「生活の質」と訳されていますが、厳密な意味は、治療後に予測される状態や生活を比較し、どれが自分に合うかを基準に医療を選ぶこと)に重点を置くべき、と主張している映画です。テーマはシリアスなのに、思いきり娯楽作にしようとがんばったことが、裏目に出てしまった、失敗作だと思います。人間くさく自己主張する患者に影響を受けて、医師も変わっていく、というプロットはよかったと思うので、とっても残念! 監督の相変わらずの凝りようには目を見張るものもありますが(私は医療従事者ではありませんが、訳あって医療にはほんの少しだけ詳しい)、封切頃の一般的な知識ではその凝り方の「妙」がよくわからなかったのではないか、という気がします。表現が「早すぎた」のではないか、と。CG部分の唐突さ、ショボさは、感動よりむしろ可笑しい表現になってしまっているので、そこも考えると4点くらいが妥当かとも思うのですが、終末期医療について一石を投じたかったのに果たせなかった、監督の無念さもあるに違いないと思うので、オオアマで6点です。あまり期待せずに見れば、案外ひろいものかもしれません。