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夫に対する妻の業の激しさに、たじろぐ人は多いでしょうけれど、人の心の中には、多かれ少なかれこういうものの片鱗はあるはず。そのデフォルメとして見てみれば、決して極端な話とばかりは思えない。哀れでもあり、滑稽でもあり、戦慄でもあり、まあつまりとても映画的なのかもしれないなあ、と思うわけです。岸部と松坂は、それぞれなかなか的確な演技。どんな感想を持っているのかは知りませんが、21歳の息子もこの映画をある意味、評価しているようです。友達とたまたま本作の話になり、彼が「あーそれ見た」と言ったところ、その友曰く「お前ほんとに何でも見るんだなあ」と驚いていたとか。確かに若者が好む作品とは到底思えませんが、まあ雑食よろしく何でも見ることは、わるいことじゃないでしょ。[良:2票]