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ここのおうちって、建物も内装もCGが多かったですよね。つまりリアルな家じゃないよ、これは寓話だよ、ということを強調しているのだと思うんですよ。蝶ネクタイのお父さん、きちんとセットした髪のお母さんからも、それがわかる。昔のアメリカ製ホームドラマそのままですよね。ただし私たちは、あの時代のファミリーこそ絵空事だ、ということをもう知ってしまっている。とっくの昔に崩壊しているし、というか、ああいうファミリーは過去にだってほんとはどこにもなかったんだよね。「カラー・オブ・ハート」などにも共通の時代感覚。むしろあっちのほうがわかりやすかったかも。この映画は、昔のホームドラマへの共感を装って現実を皮肉っているようでもあり、でも現実を否定しているわけでもない。そのコントンとした感じがいい。見かけ以上に屈折した、イミシンな映画のような気がしましたなあ、私は。