「ことば」が難しい。私的な会話はともかく公の場での会話に使わ .. >(続きを読む)
「ことば」が難しい。私的な会話はともかく公の場での会話に使われる「ことば」が難しい。歌舞伎に慣れ親しんだ人なら問題ないのだろうが、私のようなその時代の「ことば」に慣れていない者には、長回しで語られるその難解な「ことば」は、それを追うことにかなりの集中を要してしまって疲れる。もちろんリアリズムに徹したからなのだろうし、徹した結果の世界観は、その時代の封建的社会や武士の忠義、幕府の絶対君主制を見事に再現していたのだろうが、もう少しセリフを少なくしてくれたほうが助かったような。それでも退屈させずに見せてしまうのは巧いということなんだろうなぁ。↓のお二人もご指摘されている冒頭の松の廊下のシーンで城内をじっくりゆっくりじわーっと見せる長回しと浅野内匠頭が切腹へと向かう、塀の外から塀の中へと見せてゆくシーンは圧巻。単純に「城内は広い」ということを思い知らされたのですが、そう思わせた時代劇はこの『元禄忠臣蔵 前篇・後篇』だけである。