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<ネタバレ>オーバーととられがちな喧嘩のシーンですが、私にとっては実に懐かしかった。「なにメンチきっとんじゃー!」のセリフにうんうんと懐かしみ、急所蹴りにケツの穴が縮こまる思いをし、朝鮮学校とのいざこざという恐怖体験を思いおこしながら楽しく鑑賞。中学生くらいの頃は私も平気で差別用語を連呼してました。でも差別という概念はなく、それが当たり前の言葉として存在していた。この映画も公共のメディアとしては実に乱暴だけど、あきらかな「在日VS日本人」という普通なら話の隅っこに描かれてきた、でも実際はちゃうやん!という図式を堂々と見せつける。私たちがそうであったように、この映画の子供たちは政治から全く切り離された世界で戦っている。そこに実は差別は無いと思いながら。だから青臭くて楽しくてどこか悲しい。しかしそのことを全肯定していない。子供たちの、そして私の無知を非難するシーンがある。葬式のシーンです。ここは応えた。それでも新しい世代の子供たちは自分たち流にケリをつけようとする。加茂川の戦い。無意味な戦争。そこに命の誕生を告げる飛び蹴り。戦争を終わらせる方法としてこれ以上ない感動の飛び蹴り。政治の話はいまだによくわかっとらんのですが、この映画が楽しいというのはよくわかります。[良:3票]