わかりづらいと言われる時の流れはマット・デイモンのかける眼鏡 .. >(続きを読む)
わかりづらいと言われる時の流れはマット・デイモンのかける眼鏡の形状によってなんとかクリアした。場面が変わるごとにまず眼鏡を見てしまう羽目になったが、そのおかげでレンズを通したデイモンの目の大きさから、けっこうな度の入ったレンズであることがわかる。これも演出なのだろうか。なりきり俳優の頂点にいる人が監督だからついついそんなことを考えながら見た。3時間弱という長尺ながらギリギリだれずに見せきったのは良かったが、盛り上がりそうで盛り上がらない展開に欲求不満。軸はある計画の失敗の原因は何かというサスペンスだったのだが、サスペンスよりも背景に魅力がありすぎて、どうしてもその背景に目が行くのだが、しょせんは背景ゆえにそこは多く語らない。でも全然語らないわけじゃないので欲求不満に感じてしまう。背景というのはまさしくCIAのこと。CIAの前身となる機関の性格の描かれ方がせっかく面白いのにこの組織がどう力をつけていったのかという興味をそそる部分がうやむやにされている。CIAの必要性を加速させたはずの米ソ冷戦期の時代背景もある程度の知識が無いと面白さを欠くだろう。敵対するスパイとのライバル同士特有の特別な関係がドラマを盛り上げるのかと思ったら思いっきり肩透かしをくらう。さらに恋愛ドラマや家族ドラマまで入れちゃってるから本筋まで置いてけぼり状態のときもあった。もうちょいと何かを捨てて何かに絞ってくれないと。