『ドクター・ノオ』の陳腐なSFから一転、敵対するのがソ連であ .. >(続きを読む)
『ドクター・ノオ』の陳腐なSFから一転、敵対するのがソ連であることだけでもかなりスパイ映画らしくなっている。といってもソ連を利用しているのはスペクターなのだが。続編であること、そしてこれからも続いてゆくシリーズであることを前提にしながらも1本のスパイ映画として上々の出来。前半のイスタンブールを舞台としたスパイ合戦は複雑なうえに「007」らしからぬ緊迫感を持っているが状況が緊迫感を持っているだけで演出でもっと緊迫感を煽ってもよさそう。アクションよりもサスペンスに重心を置いたのだろうがアクションが無いわけじゃない。ただそのアクションがイマイチ。見せ場のためのムリヤリな展開(ヘリ追跡やボートチェイス)を感じなくもなく、見せ場自体もこの作品ならではのものが乏しいようにも思う。それでもサスペンスの部分と随所に存在感を発揮する敵キャラが作品を向上させている。