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<ネタバレ>クローネンバーグの他の作品のレビューでも書いたが彼の作品の主人公はいつも二つの世界を生きる。そこから本当の自分を見出してゆく。ガラッと作風を変えてきた前作の『ヒストリー・オブ・バイオレンス』でも自らを偽り、過去と決別した人生を作り出していた。今回は病院勤務の女がひょんなことから暗黒の世界とこちら側を行き来する物語なのかと最初思って観ていたのだが、どうやら違っていた。体に墨を入れ、素っ裸の男が自分を殺しに来た男たちを返り討ちにする。その壮絶な格闘の末に気付く。偽っていたはずの二つ目の世界にこそに自分の真の姿を見出さずにはおれない刹那!クローネンバーグのテーマはここでも全くぶれなかった。そのうえで『ヒストリー・オブ・バイオレンス』がアメリカの西部劇のプロットを借りていたのに対し、この『イースタン・プロミス』は日本の仁侠映画のプロットを借りている。面白くないわけがない。次は何を持ってくるのか。だいたいこういうのは3つ続くことが多い。[良:1票]