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<ネタバレ>公開時期が重なったために『アバター』との相似が指摘されているが、『サロゲート』の世界観はどう見たって邦画『HINOKIOヒノキオ』の進化系だ。ここまで進化しちゃってる近未来像も落ち着いて考えたらかなりムリがあるんだけど、この、ほとんどの人間が引きこもってサロゲートを使用しているという極端な大前提を少なくとも映画を見ている間は受け入れさせているんだから侮れない。この「受け入れさせている」力は謎を含んだ大きなストーリーにあるのではなく、主人公が抱える悩みが小出しに炙り出される小さなストーリーにある。そしてその小さなストーリーこそが実はメインストーリーであって、この極端な近未来ワールドはそのメインストーリーのために用意された背景でしかないのだ。モストゥ監督は『ブレーキ・ダウン』(ネタバレしちゃってます)でも同じことをしている。夫婦が離されて、最後には抱き合って終わるというストーリー。夫婦を引き離すためだけに用意された極端な事件。どちらもその事件や背景に大きな穴があるかもしれない。しかし映画にとってそこは全く重要ではない。シンプルな話しをまわりくどく描く。そのまわりくどい部分の中でささやかな、それでいて気の利いたサスペンス、アクションを楽しめればいい。そういう映画なのだ。