キャシー・ベイツのキレたところよりも優しさの中に自己中心的な .. >(続きを読む)
キャシー・ベイツのキレたところよりも優しさの中に自己中心的な性質を内包させた絶妙な演技が素晴らしい。同じキング原作で同じく雪深く人里離れた場所を舞台とした『シャイニング』とは恐怖の質が異なり、キューブリックは狂気を描きロブ・ライナーは狂人を描いている。そこに、より現実的な恐怖を感じると同時につまらなさを感じたりする。ヒッチコック映画、とくに『サイコ』を彷彿させるシチュエーションが多々あるが、ここでも例えばデ・パルマのようなお遊びはせず、ひたすら成功法でくる。破綻などない。よく出来た作品だと思う。田舎の老保安官夫婦のユーモア溢れるやりとりを入れることでちょっとした和やかな間を作っているのも実にソツのない演出。でも個人的にはなんか物足りない。