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<ネタバレ>パット・ギャレットが撃たれるシーンから始まるのだが、これから始まる物語が過去のことであり、その「過去」である物語の冒頭と「今」であるパットの最期が何度も切り返されるオープニング、この構成がめちゃくちゃかっこいい。そして原題どおりのパットとビリーの物語が始まる。このオープニングが秀逸なのはかっこよさだけではなく「死」へと向かう物語であることを予告しているからでもある。法などあって無いような時代がいよいよ終焉を迎えようとする西部開拓時代の末期、同じ穴のむじなの二人が保安官と無法者として対峙する。しかし同じ穴のむじな。二人ともが死へと向かうことに抗うことができないその切なさが漂う。そのことを代弁するボブ・ディランの「天国への扉」。ここにバイオレンスの巨匠はいない。いや、ペキンパーはたしかに暴力をスローモーションでショー化してきたが、その暴力の中に悲哀を込め続けたのも確かなのだから、これこそが彼の真髄なのかもしれない。ちなみに見たのは「特別版」。