モハメド・アリの試合をリアルタイムで何度か見ている。(アント .. >(続きを読む)
モハメド・アリの試合をリアルタイムで何度か見ている。(アントニオ猪木との異種格闘技世界一決定戦も見た。)蝶のように舞い、蜂のように刺す。ヘビー級では考えられないような華麗なフットワークをウィル・スミスが、そして足だけを映し出した映像が見事に再現していた。「弱い犬ほどよく吼える」は世界共通ではなかったと衝撃を受けたアリの試合前の強気の暴言が機関銃のごとく飛び出す様も、ウィルが鋭い眼光をもってうまく表現していた。アリのバックボーンに関しては、とくに宗教に関することについては全く知らなかったので、この映画でそのことに触れるたびに強さの裏に隠されたものを覗き見るような感覚を持ち、映画の出来不出来とは関係なく孤独のアリを見守り、崇高なるアリを称えながらこの映画の世界に浸った。つまりこの映画はどうしてもその内容(アリの生き様)にいってしまう。アリの強さを知っていれば知っているほど。そこで評価すると10点しかあり得ないのであるが、映画の満足度で言うとそんなにはあげられない。なぜならば、アリのバックボーンとクライマックスのキンシャサでの試合に、あるいはその結果に映画としてのつながりが(アフリカ系黒人とキンシャサというつながり以外に)見えてこないから。と、書いたもののやはり実在の偉大なボクサーの一角を切り取った映画としてはじゅうぶんに満足できる作品。 (追記)・・と、昨日書いてはみたものの、兵役拒否もブラック・ムスリムも端折るわけにいかないし、キンシャサはクライマックスとして的確だし、やっぱりコレでいいのかも。うーん、でも何かが足りない気が、、。