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<ネタバレ>オープニングとラスト付近でハリウッドのものすごくいいかげんな映画製作会議がありますが、あんな風な会議のもとにこの映画も製作されたんじゃなかろうかとかんぐりたくなるほど「赤狩り」「記憶喪失」「戦争」というドラマチックなキーワードのもと、主人公の成長と恋愛が描かれ、親子の愛、地域の愛、そして愛国心、と絶対爽やかな感動を得られるだろうアイテム満載の映画になってる。劇中の会議でプロデューサーがどうしても出させたかった「犬」もちょっとだけだけど出てくるし。ここまでつめこんじゃうとファンタジーとしてでしか作品としては昇華できないわけで、ダラボンはそのあたりはよく理解していて、ちゃんとファンタジーとして昇華されてはいるのですが、例えばラストの聴聞会の感動の演説があるから戦没者の魂と残された者たちは救われるのですが、赤狩りで投獄された人たちは救われていません。救われちゃうと事実を歪曲することになるから当然出来ないわけですが、出来ないなら「赤狩り」というキーワードは使っちゃダメなんじゃないだろうか。完全なファンタジーになりきれていない、そんな消化不良感を感じてしまった。