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<ネタバレ>非常にここでの評価が悪いのですが、私は大好きです。さまざまなジャンルの作品を作るルイ・マルですが、彼の作品で描かれる子供たちは皆がそれぞれ悩みや欲望を抱えて生きており、その丁寧な人格描写は「子供」としてではなく「人間」としてちゃんと描いていることの証明でもあり、そのことによって子供たちは皆、色々な作品の中でその作風とは関係無くものすごく人間くさくて魅力的なのです。この作品の主人公の思春期真っ最中の少年の描写もまた、「子供」という枠にとらわれない行動と心理を見事に描ききっている。そしてこの作品の最も衝撃的なところは近親相姦ではなく、近親相姦をこんなにもあっけらかんと描いたことにつきる。その行為はまさに青春の1ページとして家族の笑い声の中に消えてゆく。よく貴族の退廃を描いたものに近親相姦が描かれたりするけど、ルイ・マル自身貴族ではなかったけどけっこうな富裕層であったらしく、近親相姦自体に我々ほどの嫌悪感を持っていないのでしょうね。あっけらかんとした明るさを持った貴族階級の人たちを描いた『五月のミル』を思い出した。