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プリコグの見た映像を指揮者のごとき手さばきで、並べなおしたり拡大したりする様はまるで映画の編集作業そのもの。会社存続の為の策略によって、捜査の指揮権を奪われ、追われる身となる主人公というのも、映画会社の利益最優先の末の監督交代劇のようだ。スピルバーグがそんなことを暗喩として描いたかどうかは知らないが、これで冒頭からじゅうぶんな興味を私に抱かせた。ジェット噴射機を背負い、空中を浮遊する追手たちの姿は、敬愛するトリュフォーの『華氏451』へのオマージュか?そういえば、『華氏451』は一方的に垂れ流される映像に依存することの危険性を提示していたが、今作品も映像に対する過度の信頼における危険性を提示している。深読みしていくとけっこう楽しめるのがスピルバーグ映画の面白さでもある。リアルな未来像も○(レクサス2054年モデルも見れたし、なにをおいても有名女優と××出来ちゃうバーチャル風俗に興味深々、、恥)。主人公がヒーローではなく、ドラッグに頼る弱さと弱みをを持った普通のパパというのも好印象。しかし後半、妻が事実を知ってからの展開の早いこと。そして安直なこと。ハリウッドでヒットメーカーであり続ける監督の送り出した娯楽作品の限界点でしょうか。おしい。[良:2票]