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ヒッチコックには珍しいロマンティックコメディということらしいが、数々のサスペンス映画の中でスクリューボールコメディを披露していたりとユーモアのセンスはもともとお墨付き、しかも観客へのサービス精神が極めて旺盛な監督ですから別に驚くこともない。この手のコメディの中で特別輝いているとも思えないのだが、開始早々からなぜか全くしゃべらない男女が映されるというサスペンスが発生していたり、ドタバタの原因が役所の手違いなどといういかにもヒッチコックのサスペンス映画にありそうなものだったりと、随所にヒッチコック風味が散りばめられていて数多あるロマコメとはまた違った楽しみ方が出来る作品ともいえる。中盤以降の妻は本当に夫から心が離れている風にも見えて、それでも夫はどこか悠々としているところに違和感を持ってしまうのだが、まあ、妻のことをよく知っているということなんですかね。