5年後の『天国の日々』で伝説の監督になっちゃって、さらに20 .. >(続きを読む)[良:2票]
5年後の『天国の日々』で伝説の監督になっちゃって、さらに20年沈黙後『シン・レッド・ライン』を作るんだけど、その『シン・レッド・ライン』は結局のところこのデビュー作『地獄の逃避行』とやってることは同じだったんだとコレ見て思った。狂気を狂気っぽく描かない。殺人の背景とか心の闇だとか一切描かない。殺人のシーンはそれぞれが衝撃的であるが、何が衝撃かっていうとあまりに簡単にその行為が成されているってことに尽きる。映画は男が何を思い何を考えているかを映そうとはしない。それは映らないから。映せるのは行動だけ。それが映画なのだ。そしてテレンス・マリックはその行為が成された場所を映す。そこでどんな異常なことが行われていようと地球はそんなことに関わりなく美しくそこに存在し続ける。というか、どんな狂気をもちっぽけなものにしちゃう。何やったって釈迦の手の中でしかない、みたいな。その美しい景色たちが『シン・レッド・ライン』ほどに雄弁でないところがまたいい。[良:2票]