農場で働く人達の描写に不満が残る。1930年代の不況下が舞台 .. >(続きを読む)
農場で働く人達の描写に不満が残る。1930年代の不況下が舞台となっているにもかかわらず、それぞれの淡々とした働きぶりにその時代特有の絶望感や暗さというものが感じられず、いやそれどころか安定感さえ漂わせている。同じスタインベックの作品でもジョン・フォードの『怒りの葡萄』にはしっかりと時代が映し出されている。フォードと比べるのは酷にしても、もうちょっとその時代の空気に拘ってほしかった。マルコビッチの、人格が内から溢れ出るような怪演はお見事。