<ネタバレ>幼い頃は、自分が親にとって一番大切な存在なのだと信じて疑わな .. >(続きを読む)
<ネタバレ>幼い頃は、自分が親にとって一番大切な存在なのだと信じて疑わないものだ。でもある時、親も一人の過去がある人間であり、他にも様々な「思い」を抱えていることに気付く。少女の心の襞が一枚捲られる瞬間を描くことに関して、右に出る者はいない監督だと思う。自分でも、自分を産んだ母でもない、他の誰かのことを、父がかつて愛し、もしかしたら今も愛しているのではないかという不安。幼い頃の漠然とした思いが、成長し、自分を「愛している」と言う男の子がいるエストリヤの中で、やっと口に出せるだけの理解をしたときに、父がこの世を去ってしまう。あまりにも美しい情景とその救いのなさ。10点献上。