<ネタバレ>もう山田監督に新たに期待するものはないと思っていたし、しかも .. >(続きを読む)
<ネタバレ>もう山田監督に新たに期待するものはないと思っていたし、しかもここへ来て吉永小百合が年老いた母親役って、一体どこまで依存するんだとも思っていたのだが、何と意外に悪くなかった。その母親が、どこまでも「普通の人」であるのがいいし、目立った何かをしないのもいい。だから、牧師とのささやかな恋愛未遂沙汰も、じわっとした重みを持ってくる。ほかの人もみんな「普通の人」ばかりだし、そう、この監督はいつも、そういうどうということのない人たちの平凡な市井の生活を大切にしてきたんだよね、ということも思い起こさせる。●空き缶集めの爺さんが、何だかんだで最後まで達者なのもいい。唐突な空襲話は余計だけどね。●監督の近時の作品でほとんど暴走気味だった説明台詞も、今回は何とか許容範囲内に収まっています。