<ネタバレ>何も大げさなことはしないのにどこまでもじわじわと怖さがにじみ .. >(続きを読む)
<ネタバレ>何も大げさなことはしないのにどこまでもじわじわと怖さがにじみ出てくる描写は、さすがコスタ=ガヴラス。一つ一つのシーンでの演出のフォーカスが明確に絞られているため、登場人物が作品の枠の中で自然に生きている。検察の証人とやらはもっと突っ込みどころ満載のような気もするが(「目を見ることもできませんでした」という証人には、「だったら顔などはよく見なかったのでは?」くらいは突っ込んでほしい)、まああんなもんでしょ。どこまでも無表情鉄仮面を通す裁判長が、いい味を出して引き締めています。●なんだけどなんだけど、最後の5分で一気に崩れてしまいました。まず、たとえ事件が終わったとしても、依頼者に不利な証拠を弁護人が自ら外に(ましてや検事に)流出させるなんて、その時点で一発アウトです。それから、裁判は終わっているわけなので、いくら新証拠が出てきたとしても、一事不再理の鉄則によって、検察はもはや何もできないのでは?●というわけで、ラストはまったくダメですが、それまでは素晴らしかったのでこの点数。