<ネタバレ>前半は何とも凡庸な出来で、これは前々作と前作からの勢いだけで .. >(続きを読む)
<ネタバレ>前半は何とも凡庸な出来で、これは前々作と前作からの勢いだけで作ってしまったかな?と思っていたのですが、流れを一気に変えるのは、やはりこのお方、杉山とく子小母さんでした。画面の中に、部屋の中にいるだけで、そのスペースを全部寅さんワールドに染め上げるこの力。いきなりゴクミに買いに行かせるのが「豆腐」なのは、もしかしてあの第5作へのセルフ・オマージュでしょうか?●吉田日出子のマドンナもなかなかでしたが、もっとじっくり見たかったな-。未亡人マドンナといえば、第19作(真野響子)や第29作(いしだあゆみ)など、すでに先行名作があるので、やはりハンデはあります。●ラストの夏木マリ姐さんも、ごく短時間ながら隙のない凝縮された芝居でした。というか、ここで気づいてしまったのですが、夏木マリは共演場面でゴクミの芝居を相当助けてますね。吉岡君の力では助けにならないことはもちろんで、したがって吉岡君とゴクミが2人だけのシーンというのは、どれをとっても低テンションゾーンに落ちてしまっています。喫茶店のシーンが何とか保たれているのも、達人・山口良一あってのこと。