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皆さんのReview,興味深く読ませていただきました。勿論,飽くまでもこれらは個人の感じた領域のものであり,誰それの考えがどうのこうのと言うのはこのページの主旨ではないと思います。ただ,一つ気になるのは,やはり我々日本人として,この作品をどう思うか,に尽きます。 問題になっている現行の歴史教科書を見ても(例の「つくる会」の教科書も読みました。)特に,我が国の近代史の部分は,征韓論に始まり,日清日露の両戦争,韓国併合,満州国建国,満州・日支両事変,太平洋戦争と,言うなれば負の部分の多いものとして,10代に学習してきていると思うのです。この作品の随所に描かれる日本軍の残虐性を見て,日本人であることを恥じたり,肩身の狭い思いをした方も居られるかもしれません。しかし,歴史とはそんな一面的で単純なモノでしょうか。例えば,真珠湾近くの病院が爆撃を受け,逃げまどう人々に情け容赦なく機関砲弾が浴びせられるシーン。先ず,戦略拠点として日本軍が狙ったのは港湾施設と軍の艦艇(「トラトラトラ!」と違って米空母の存在について一言も無かったのは言語道断ですが),そして陸軍航空隊の飛行場であることは誰でもわかります。病院を,増して逃げまどう民間人に対して,零戦が機関砲弾の大盤振る舞いなぞするわけないのです(資源のない我が国が,それも超低空というリスクを背負って?)。あの場面で日本軍の極悪非道を感じた方は多かったでしょうが,あの3年半ほど後,米国艦隊が釜石を艦砲射撃した際(日本海側の酒田まで音が聞こえたという凄まじいものだったらしい),私の知人は釜石市の病院に勤務しており,まさにあの場面の如き地獄絵図さながらの体験をしたと語っておりました。着底したアリゾナの艦底には1000人以上が眠っている,と語られましたが,原爆と東京大空襲や神戸大空襲等でどれ程の民間人が殺傷されたか,真珠湾攻撃は不意打ちで卑怯,ということですが,何故形としてあのような奇襲になってしまったことを果たして知っているのでしょうか。 映画は勿論エンターティメントです。面白ければ良し,感動すれば良し,という考えもあってしかるべし,です。しかし,世界に冠たるハリウッドとディズニーが,全世界に向けて放つ史実を踏まえた作品である以上,しっかりとした時代考証や誰にでも納得のいく歴史認識があってしかるべし,と私は思うのです。プロの制作者として,その努力や苦労は並大抵のものではないでしょうが,プロなればこその責任を持って制作に当たって欲しいとも思います。(そういう私も無責任に述べてしまっていますが) 実は,私もこれは見なくても,と思ったクチですが,見ずしては何も語れません。多くの方々(含私)がこの作品を媒介に,負に彩られることの多い我が国の近代史について,認識を深められることを願って止みません。 私も,山のように突っ込みたい箇所はあるのですが,いつもの癖でだんだん熱くなって,これ以上の長文になるとまずいので,このへんで控えようと思いますが,↓【三景】さんをはじめとする多くの方々の勇気あるコメントに感服しております。一言だけ,ドゥーリットルの東京初空襲を強引に後半に持ってきたのは,真珠湾の報復ということでしょうが,米国の報復って,つい最近もありましたよね・・・。(本当に長々と失礼致しました。今後は控えたいと思います・・・。)[良:2票]