生きることの難しさや苦しさを、初めて知ったかのように教えられ .. >(続きを読む)
生きることの難しさや苦しさを、初めて知ったかのように教えられる。まるで現代のワーキングプアのようだった。がんばってもがんばっても報われず、現実の前ではやりたくなくてもやり続けなければならない。全ての人間の事情を考慮して全ての人間を描く辺りに、溝口監督の人間に対する慈愛の精神を強く感じる。人間の優しさや奥ゆかしさを強く感じた。時代の急な変化や流れに適応しきれず苦しむ人々と、それをはたから見ている一方的かつ断定的な人々。全て人。それぞれ生まれてきた場所がちがっただけ。みな、人間。それを最も強く感じた。