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<ネタバレ>田中絹代さん演ずる梨花の視点から見たら、右を見ても左を見ても愚かな人間しか見当たらない。異常なのが梨花の方なのではないかと思ってしまうほど、登場人物たちの多くが人を馬鹿にし、見下し、陰で笑っている。梨花の力で彼女たちの感情が変化していくかと思いきや、変わらない。結局時代に流され、消えていくだけ。変わろうとしない意固地な人間たちの愚かさを、清き心を持ち、多くの人に親しまれる梨花を通して悲しく見つめる作品。ラスト、悲しげな瞳を背け、背中を向ける彼女のその最後の優しさに胸が締め付けられる。