原作はライオネル・ホワイトの推理小説「見事な結末」。競馬場 .. >(続きを読む)
原作はライオネル・ホワイトの推理小説「見事な結末」。競馬場の売上金強奪に絡む人間模様の克明な描写は原作以上の迫力であり、若きキューブリックの気合い充分。個人的に特に好きなシーンは、イライシャ・クック・Jr扮するジョージの浮気な妻が、ヴィンセント・エドワーズ扮する間男に金を横取りさせようとして、一味の待機する部屋を襲うも派手な撃ち合いの末に間男らは死亡、ジョージは重傷を負いながらも自宅へ戻り妻を殺して息絶える、という何とも凄惨極まる一連の場面である。とにかく、無駄を一切省いた簡潔な演出で一気に85分を見せるキューブリックのパワーは圧巻。後年の晦渋な作風も殆ど無くテンポ良く楽しめる逸品なので、キューブリック作品はチョット…と敬遠せず一見するコトを是非オススメする。