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角川映画(松竹と合作だが)にして故・深作欣二監督作品なれど、つかこうへい原作&脚本を得た本作は…秀作と言えるデキ。MVPは古き佳き戦後の邦画全盛期を背景にした秀逸なシナリオを提供した原作者つかこうへいだろう。松竹にはメインの大船以外に蒲田にも撮影所があったが、本作の舞台は正に其処であり、そこで巻き起こる役者たちの悲喜劇をユーモラスに描いている。儲け役である大部屋俳優ヤスを演じた平田満は確かにウマイ。「コレ(女房)がコレ(おめでた)なもんで」の台詞と共にズタボロに怪我が増えていく様は思わず笑ってしまうし。だが、個人的には我が儘な大スターだが小心者の「銀ちゃん」こと銀四郎を巧みに演じた風間杜夫の気障なイヤらしさの方を推したい。明らかに損な役にもかかわらず、決してそうなっていないのは風間の力演なればこそ。悪趣味な迄にド派手に装飾した銀四郎の車も爆笑モノ!!松坂慶子の小夏は、まぁ可もなく不可もなし。深作演出も実にテンポ良くエネルギッシュで正攻法を貫いており見事。80年代邦画ではオススメの逸品。ラストのフィナーレは…チト蛇足かな?2点マイナス(^^)。