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<ネタバレ>一応、便宜上コメディにジャンル分けしましたが、正確に云うならば「人情喜劇」がピッタリかと思います。欧米のコメディのノリで観ると肩透かしを食うかもしれません。斜陽華族のお嬢様、恭子を演じた原節子の気品溢れる演技、対照的な自動車修理工・圭三役の佐野周二が見せる野暮ったい中にも誠実さを滲ませた演技、いずれも見事に彼らの持ち味が引き出されています。流石は木下恵介、といったトコロでしょうか。”金のための意に沿わぬ見合い”に打算を感じ、決然と結婚を破棄する圭三の姿には失われつつある当時の日本人の心意気を見ました。ラストで見せる恭子の情熱的な行動がグッと高揚感を増して心地良い幕切れでした。[良:1票]