<ネタバレ>一種の恋愛物語ではあるのですが、まさにこれ、ハードボイルド。 .. >(続きを読む)
<ネタバレ>一種の恋愛物語ではあるのですが、まさにこれ、ハードボイルド。
色んな事が起こるけれど、一晩のオハナシなんですね。船員の男が女が出会って、惹かれ合って、その晩のうちに結婚までしてしまう。ああ、何て早まったことを、などと言ってはイケマセン。すべてが刹那的で、この夜の雰囲気の中では、あらゆることが起こり得る。実際にはそれぞれの登場人物が、それぞれの過去を引きずっているんだろうけれど。
しかし朝が来ると、すべてが終わる。出航する船とともに男は去ってしまう。・・・というところで終わっちゃってもアリかも知れないんですが、そこで終わらないのがミソ。出航した船から男はやおら海に飛び込み、女のもとに戻ろうとする、このシーンの衝撃的なこと。うん、たしかに、男と女が出会った際のことを思い起こすと、再会のために今度は男がここで「飛び込まなければならない」んだろう、とは思うのだけど、それ以上に、うわーホントに飛び込んじゃったよーという、このシーンの生々しさ。衝撃的ですらあります。無骨で不器用な男が貫いてみせる純愛。やっぱりこれ、ハードボイルドです。