「んなアホな」というこの世界観に、耐えられるか否か。耐えられ .. >(続きを読む)
「んなアホな」というこの世界観に、耐えられるか否か。耐えられないというアナタは、たぶん、損してます(たぶん、ね)。
スポコンあるあるネタ満載のこの作品(ここに「根性」があるかどうかはともかく)、しかしリメイク作である以上、本家本元の作品があった訳で、そういう作品が「あるある」の歴史を作ってきたんですな。我々も「んなアホな」という気持ちを抑えてそれを楽しんできたし、我々の世代なら、あのミヤギさんの、パット・モリタではなくあの久米明の、「ワックスを塗って、拭き取る」の声が、耳の奥にこびり付いて離れない、という人は多いはず(たぶん、ね)。
本作はそういう荒唐無稽さをちゃんと引き継ぎつつも(だからといってタイトルまでThe Karate Kidとは・・・)、子役たちにハイレベルな格闘シーンを演じさせ、相応の「進化形」を見せつけてくれる。ウィル・スミスの息子も、クソ生意気な態度から驚くべき身体能力まで、まさにラルフ・マッチオよりは役者が一枚も二枚も上だぜ、ってなところを披露して、くそーこの二世タレントめ、もうちょっとどこかで苦労してこい!ってな気持ちにさせてくれる(←褒めてるのか?いやまあ、そのくらいスゴイってこと)。
中国人少女とイチャイチャしているヒマがあったらトレーニングしろ!と思いつつも、影絵のシーンなんて、何ともいい味出してるし(ウチの子供なんぞ、早々にこのオチを予期してソワソワしながら観てるし)。物語に、ジャッキー・チェン演じるハンさんの人生を絡めることで、ジャッキーにも見せ場を準備してくれているのもうれしいところ。主人公の少年に「ブルース・リー服」を渡すジャッキー・チェン、というあたりに、ああ、このヒトこそ、まさに、カンフー映画の歴史の生き証人なんだよなあ、と。