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ふだん我々が映画を観ている時、このシーン本当にカッコいいよな、などと感じることが時々あって、例えばそういうのが、ショットの意義であったりするんでしょうけれども、残念ながら、登場人物たちのカメラが捉えた映像という体裁をとったこの本作では、そういう「ショットの意義」ってのが欠落していて、ここにあるのはひたすら「このショットはこうやって撮られました」という理由説明ばかり。超能力があるから主人公がカメラを持たないシーンも使ってよし、とか、主人公以外のカメラで撮ったシーンもOK、とか、全編にわたり「言い訳」が述べられ続けるこんな作品も、珍しい。カッコいいシーンを撮るためにこの手法を選んだんなら歓迎だけど、選んだ手法のせいでカッコいいシーンが撮れない上に、こうやって言い訳ばかりを連ねるんでは、一体何やってるんだか。といささかウンザリしていると、クライマックスでは意外にも、主人公たちのバトルをバラバラなカメラがバラバラに断片化してみせるのが、妙にオモシロかったりするもんだから、何が幸いするかわかりません。