旅客機が凶悪犯にハイジャックされるも、そこにたまたまハイジャ .. >(続きを読む)
旅客機が凶悪犯にハイジャックされるも、そこにたまたまハイジャック対策のプロが乗り合わせていて、孤軍奮闘、敵と戦うオハナシ。本来なら『ダイ・ハード』の続編がやってもおかしくないようなネタを、『ダイ・ハード2』が少し変化球で来たもんで、代わりにやってあげましょう、という訳でもないのだろうけど、『エアフォース・ワン』に先駆けて、そんな感じのことをやっている作品です。
で、それらの作品と何が違うのかというと、これはもう見ての通り、安っぽい。尺も短くて、クレジットタイトルの部分を除いた正味で言うと80分あるかないか。しかしこの短さは、侮れません。中には、中身も予算も無くやむを得ず短くなっちゃった作品もあるだろうけれど、曲がりなりにもこの作品は、ハイジャックという大事件を描き、さらには意味も無く飛行機から降りてなおアクションを繰り広げ、さらには主人公の抱えた暗い過去まで描いています(その描写が充分なものかどうかはともかく・・・)。これだけの内容を詰め込んだら、ちょっと油断すると映画の尺は簡単に延びちゃうものであって、それでもここまでコンパクトにまとめ上げたのはやはり、それなりの志が無いとできないことです。
いや、映画が長いとダメだ、というつもりはないんですけどね。短さゆえの物足りなさ、ってものもあったりします、例えばまさにこの映画。だけど一方には、テンポの良さの魅力、ってのもある訳です。まさにこの映画。
テンポがよく、そして物足りない。一種の安心感、ですわな。ホントはもう少しだけ、主人公の暗い過去を丁寧に描いてくれたら、とも思うし、サスペンスの要素ももう少し加えてくれたらとも思うし、ここまで短くする必要もなかろう、とも思うけど。
主演はウェズリー・スナイプス、さすが、動ける男は一味違います。キレのある格闘アクションで敵を斃していきます。しかしここも、やや演出が雑と言うか、もう少しじっくり彼のアクションを見たかったような、、、
と、私も油断するとだんだん本音が出てきて(?)文句が多くなってしまうのですが、いえいえ、やっぱり魅力はテンポの良さ。敵の冷血残忍さを最小限の描写でしっかり印象付けたり、ハイジャックものかと思いきや物語の舞台を機外に移動して、遊園地でのアクションを展開したり。さらにはあの、旅客機に飛び移るべく、飛行機の巨大な車輪に自動車を並走させる素晴らしいスタントシーン。
やっぱり侮れないですよ、これは。物足りないけど。