ここに至ってまだ「ロッキー」シリーズの企画を引っ張ってくるな .. >(続きを読む)
ここに至ってまだ「ロッキー」シリーズの企画を引っ張ってくるなんて、と、ちょっと心配になる(けどちょっと期待する)のですが、ロッキー=スタローンに必ずしも縛られなかったのが、良かったですね。もちろん、トレーニングを見守るロッキーの姿の方をカメラのフォーカスが捉えるなど、彼の存在は確かに感じさせるのですが、アポロの息子アドニスをきちんと中心に据え、しかもチャンプの血を引きながら、愛人との息子である自分は一体何者なのか、という屈託を抱えた存在として描き、ボクサーとしての生き様に膨らみを持たせています。これがクライマックスの試合に向けての映画の推進力のひとつにもなっているのですが、クライマックスの興奮はそれだけれはなく、やはり、アドニスを演じたマイケル・B・ジョーダンをはじめとする、登場するファイターたちの迫真のファイトシーンが大きな貢献を果たしています。
ラスト、アドニスと並んだロッキーは、画面の中心をアドニスに譲る。いいねえ、スタローン、もうラジー賞は卒業かな。