実在の人物に取材した映画、ってことなんですが、まあどうにも、 .. >(続きを読む)
実在の人物に取材した映画、ってことなんですが、まあどうにも、胡散臭い、ウソ臭い。当時の社会情勢などが作中にそのまま取り入れられ、何ならもっとリアリティを感じても良さそうなところが、かえってそれが胡散臭かったりして。しかしこうやって見ると、当時の情勢そのものが、いかにも胡散臭い時代だったんだな、と。
この作品、なんとなく、お伽噺のテイストですね。一種のホラ吹き男爵譚。これを、演じてる本人も、見ている我々も、違和感なく演じられるのは、やっぱりこの人しかいないでしょう。と言う訳で、「トム・クルーズ/アメリカがハマってしまった男」。これはバリー・シールなる人物を描いた作品なのか、それともバリー・シールを楽しそうに演じるトム・クルーズを描いた映画なのか。見てると、パイロット役が演じられるだけでもうどんな役でもOK、楽しくて仕方なかったのでは?と思えてきます。
という軽いノリ。
そういう、ウソかホントかよくわからんエピソードが次々に並べられて(大筋ではホントなんだろうけど・・・もはやどっちでもいい)、まとまったストーリーらしいものもなく、それが短いショットの連続で紙芝居のように描かれます。テンポがいい、のは確かですが、味気無くもあったりして、「今のシーンはあともう少しだけ、カメラを長く回してもらえたら」などとも思っちゃう。だけど、満足する前に敢えて止める、というのも、一つの節度、とは言えるのかも。
とか言うようなことを、これといって考えていなさそうに「見える」ところが、この作品の特徴でしょうか。
クルマが爆発するシーンとか、あるいは爆発しないシーンとか。いいですよね。