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<ネタバレ>一般に、「“ドンデン返し”があります」と言うだけで一種のネタバレになりかねないので、一応「ネタバレ有」にしておきますが、本作はその方面での代表作みたいなもんなんで、今更、という気もしますが。まあ、一見すると、“ドンデン返し”のみに頼った凡作、という感じですけどね、しかしその凡作っぽい装いが、実は油断ならないのです。三流スリラー作家を演じる主人公のいかにもボンクラな表情。騒がしいばかりのボンクラな妻。そこにやってくるのはスーパーマンで皆さんお馴染みの大根役者。そこに展開されるのは、三流作家が企む二流の陰謀劇、入れ子構造になったこのボンクラぶり。「何やねんこの作品は」とか思いつつ観ているうちに、観ている私もボンクラであることを思い出し、作品との間に妙な共犯意識が生まれてくる。なんと、この私まで含めたボンクラの階層構造だったとは。そのピラミッドの頂点でルメットが笑ってます。この作品、もっとスマートに作ることも出来たとは思いますが、それをやってしまうと多分、最後に白けてしまう訳で、これぞ“ボンクラ”活用法の良い例でしょう。“ドンデン返し”というもののあるべき姿を、見事に示しています。[良:1票]