ブルーベルベットの辺りから、何をやっても「狙ってるなあ」とし .. >(続きを読む)
ブルーベルベットの辺りから、何をやっても「狙ってるなあ」としか思われなくなってるのが、リンチの不幸なところでもあり、自業自得なところでもあるのでしょうか。本作でも冒頭にR.シュトラウスの「4つの最後の歌」が流れてきて、「ああ、またヤッテルなあ」と思っちゃう。なんというか、リンチ自身は興味ないくせに「場違いなモノならなんでもいいや」みたいな、投げやりな感じ。
しかしこの一見投げやりな感じ、テキトーそうなものを実は一生懸命作り込んでる感じが、彼の持ち味とも言えるのでしょう。本作などは、適度な「やり過ぎ感」で、難解な印象を与える事も無く、作品世界を作り上げてます。
もっとも、映画終盤ではそれがついにブッ壊れて、ここだけ殆ど別の映画みたいになってしまっており(そこでチンピラどもに礼をいうか?)、ここからラストにかけてが一番印象的なシーンとなっているのが、ちょっと皮肉でもあります。
という、リンチ版・地獄の逃避行。ニコラス・ケイジが実は結構「動ける」男であるコトも、作品によく表れています。